副業でせどりを始めたばかりの頃は、「売れそうな商品をなんとなく選んで仕入れていた」という方も多いのではないでしょうか。
しかし、せどりで安定して稼ぎ続けるためには、“なんとなく”では通用しません。重要なのは、「データに基づいたリサーチ」です。
せどりには、商品がどれくらい売れているか(需要)、どれくらいの価格で売れているか(相場)、ライバルがどれくらいいるか(競合状況)など、見るべきポイントがたくさんあります。そして、これらを手作業で調べるのは非常に大変です。
そこで活躍するのが、せどり用リサーチツールです。
今回はその中でもAmazon販売で使える代表的な「Keepa(キーパ)」「イーリサ」「セラースプライト」の3つを取り上げ、それぞれの使い方と活用ポイントをわかりやすく解説していきます。初心者を卒業し、仕入れの精度と利益率をアップさせたい方はぜひ参考にしてください。
Keepaの使い方と見るべきグラフのポイント

◆ Keepaとは?
Keepa(キーパ)とは、Amazon上の商品データをグラフで可視化できるリサーチツールです。
特に「価格の変動」や「ランキングの推移」がひと目で分かるのが最大の特徴で、その商品が本当に売れているかどうかをデータで判断することができます。
Google ChromeやFirefoxの拡張機能として使え、一部の情報は無料でも確認できますが、ランキングの推移グラフなど重要なデータを見るには、有料プラン 19€(約3,000円)が必要になります。
↓Keepaの公式サイトはこちらです。
https://keepa.com/
◆ どこを見る?Keepaグラフの基本構造
Keepaのグラフは情報量が多く、最初は複雑に感じるかもしれませんが、以下の3点を中心に見ればリサーチに活用できます。(※上記画像は無料版のグラフです)
① ランキンググラフ(売れ行きを見る)【※有料プラン限定】

- 緑の折れ線グラフが「Amazonランキングの推移」です(有料プランで表示)。
- このグラフがギザギザに動いている=売れていると判断できます。
- 逆に、グラフの動きが少ない商品は売れにくい可能性があります。
💡 無料プランではランキングは表示されないため、精度の高い仕入れ判断をするには有料版の契約を検討しましょう。
② 価格グラフ(相場を見る)【無料プランでも可】

- オレンジ:Amazon本体の価格
- 青:新品の最安値
- 黒:中古の最安値
価格の上下動を見ることで、「今が安く仕入れられるタイミングか」「価格が安定しているか」などを把握できます。
③ 出品者数の推移(ライバルの動き)【有料プランで詳細確認可】

- 青:出品者数の数
- 出品者数の増減からライバル状況や売れ行きを推測可能。
- 「出品者が減っている=売れている可能性がある」といった見方ができます。
◆ Keepaの活用ポイント
- ランキングのギザギザ + 安定した価格 → 優良な仕入れ候補
- ランキングが動かない + 価格が下落傾向 → 仕入れリスク高め
無料でもある程度の判断材料は得られますが、本格的にせどりで稼ぎたいなら有料プランの活用がおすすめです。
◆ 補足:Keepaの導入手順
- Chromeウェブストアで「Keepa」と検索して拡張機能を追加
- Amazonの商品ページを開くと、ページ下部に自動でKeepaグラフが表示される
- 有料機能を使いたい場合は、Keepa公式サイトから登録(月額プランあり)

イーリサでライバルの在庫と売れ行きを調べる

◆ イーリサとは?
一言でいうと「データに基づいた仕入れ判断をサポートするツール」です。
イーリサは、Amazonでの商品販売(せどりや物販)で利益を出すために不可欠な「商品リサーチ」と「販売分析」を、誰でも簡単に行えるように開発されたツールです。
かつて多くのせどらーに愛用されていた「モノレート」というサイトがありましたが、そのサービスが終了してしまい路頭に迷う人が続出しました。その「モノレートの代わり」として高く評価され、今では6万人以上のユーザーが利用するほどの人気ツールとなっています。
何より嬉しいのが、基本機能は無料で使えるという点。副業を始めたばかりで、まだ大きな投資はできない…という方でも安心して利用を開始できます。
◆ 売れ行きの推測:出品者数の変動をチェックする
イーリサでは、一定期間内で出品者が何人増減したかがグラフで表示されます。
この出品者数の減少は、在庫が売れている証拠と考えることができます。

例:
- 3日前:出品者10人
- 今日:出品者6人
→ 最大4つ売れた可能性あり
このように、売れた数量をある程度把握できるので、「売れていない商品」を仕入れてしまうリスクを下げることができます。
◆ ライバルの在庫数を見る:カート取得数を確認
イーリサでは、各出品者が「カートに入れられる最大数(=在庫数)」を確認できます。
これにより、ライバルの在庫が多すぎないか、在庫がもうすぐなくなる、などを確認することが可能です。

活用例:
- 同じ価格で出品しているライバルが「在庫1〜2個」→ チャンスあり
- 10個以上持っている出品者が多数 → 価格競争になりやすい
◆ ランキング波形を無料で確認できるメリット
イーリサでは、無料会員でも商品のランキング波形(ランキングの変動グラフ)を確認できます。
これにより、商品が「売れているのか、売れていないのか」を視覚的に判断できるのが強みです。

- ランキングが定期的に下がっている → 継続して売れている可能性あり
- ランキングが長期間変動していない → 売れていない可能性あり
◆ 商品の徹底分析!
ASINコードをもとに、ターゲットとした商品を徹底的に分析できます。

グラフのほかにも、その商品のバリエーションごとの売り上げやその商品を出品しているセラーの一覧、セラーごとのカート取得の割合、またはAmazon以外で販売しているショップの一覧などあらゆる角度からターゲットとなる商品を分析することができます。
◆ イーリサの導入と使い方(簡単な流れ)
- イーリサの公式サイトからアカウント作成(無料プランあり)
- Chrome拡張機能を追加
- Amazonの商品ページ上でワンクリックでデータ表示
- 出品者数や在庫数、ランキング波形、価格推移をチェックして仕入れ判断
イーリサは、売れるかどうか・ライバルが多すぎないかを判断するための心強い味方です。
とくに「仕入れ後、売り抜けるまでのスピード(回転率)」を重視する人にとっては欠かせないツールといえるでしょう。

セラースプライトでトレンド商品を見つける方法

◆ セラースプライトとは?
セラースプライト(SellerSprite)は、中国発のリサーチツールで、主にAmazon販売を行うセラー向けに、
キーワード検索数・市場規模・競合数・販売予測などを可視化できるツールです。
特に「需要のあるキーワードからトレンド商品を探す機能」が豊富で、新しい商品ジャンルの発見や、売れる商品の予測に強みがあり、「どの商品が、月に何個売れているのか」「どんなキーワードで検索されているのか」といった、通常は見ることができない市場のデータを具体的に分析できるツールです。
これにより、「何が売れるかわからない」「勘で仕入れて失敗したくない」というリサーチの悩みを解決し、勘や経験だけに頼らない、データに基づいた商品選びを実現します。
日本版のAmazonにも対応しており、せどりやOEM、ブランド販売を行う人にも支持されています。
◆ 市場リサーチ機能:伸びている「お宝市場」を発見する

物販を始める際、「どのジャンルに参入すべきか?」は最初の大きな悩みです。
そんな時、セラースプライトの市場リサーチ機能が役立ちます。これは感覚ではなく客観的なデータを用いて「勝てるニッチ市場」を見つけ出すための強力なツールです。
例えば、特定のカテゴリ(例:「キッチン用品」)全体の月間売上数や新商品数、さらにはライバル出品者数までをデータで正確に把握。その上で、自分のレベルに合わせて市場を絞り込み、利益計算まで行うことで、失敗リスクの低い商品選定が可能になります。
これにより、需要が伸びているのにライバルがまだ少ない「ブルーオーシャン市場」を発見できる可能性が高まります。市場全体を俯瞰で見ることで、データに基づいた失敗の少ないスタートを切りましょう
◆ キーワードリサーチ機能:「売上につながる検索キーワード」を見つけ出す
良い商品を見つけても、お客様に発見してもらえなければ売上には繋がりません。「お客様が実際にどのようなキーワードで商品を検索しているのか?」を正確に知ることが、物販成功の鍵を握ります。
この「顧客の検索キーワード」をデータで可視化するツールが、セラースプライトのキーワードリサーチ機能です。単なる月間検索数だけでなく、「そのキーワードが、実際にどれくらいの売上を生んでいるのか」まで分析できるのが最大の特徴です。

例えば、「ワイヤレスイヤホン」と検索すると、以下のようなことが分かります。
- 関連キーワードの発見: お客様は「ワイヤレスイヤホン」という大きな枠だけでなく、「ワイヤレスイヤホン 高音質」「ワイヤレスイヤホン 防水 スポーツ用」といった、より具体的で購買意欲の高いキーワードで検索していることが分かります。
- 需要の大きさの把握: それぞれのキーワードが月に何回検索され(検索ボリューム)、どれくらいのクリックがあり、どれだけの売上(転換数)に繋がっているかを数字で確認できます。
これらのキーワードを商品タイトルや説明文(箇条書き)、検索キーワード設定に戦略的に盛り込むことで、Amazon内での検索順位(SEO)が上がり、お客様の目に留まりやすくなります。
◆ 商品リサーチ機能:データから「売れるお宝商品」を掘り当てる
「どの市場に参入するか」「どんなキーワードが狙い目か」が分かったら、次はいよいよ「具体的にどの商品を扱うか」を決める番です。しかし、無数にある商品の中から、本当に売れる商品を自力で見つけ出すのは至難の業です。
セラースプライトの商品リサーチ機能は、この「商品選定」の悩みを解決する強力なデータベースです。Amazonに存在する膨大な商品を、売上・販売数・レビュー数・価格といった様々な条件で絞り込み、優良な商品候補をリストアップすることができます。

例えば、「需要は高いけれど、まだライバルが少ない商品」を見つけたい場合、以下のように条件を設定してみましょう。
- カテゴリ: ペット用品
- 月間販売数: 100個以上
- 月間売上: 30万円以上
- レビュー数: 100件以下
- 価格帯: 3,000円~5,000円
これらの条件でフィルターをかけることで、「ペット用品カテゴリで、安定して売れており(月商30万以上)、価格もお手頃。しかし、まだレビュー数が少なく、市場を独占している巨大なライバルはいない」といった、極めて具体的な「狙い目の商品リスト」が瞬時に完成します。
具体的な数値を元に商品を絞り込むという手法なら、単なる勘や思いつきではなく、「データが裏付ける売れる可能性の高い商品」を見つけ出すことができます。
◆ キーワードマイニング:1つの言葉から「売れるキーワードリスト」を育てる
物販で成功するには、キーワードの選び方や使い方がとても大切です。しかし、例えば「ヨガマット」という1つのキーワードから、関係が深くて、ライバルが多すぎない「お宝キーワード」をたくさん見つけ出すのは、とても大変な作業です。
セラースプライトのキーワードマイニング機能は、そんな悩みを解決するために作られたツールです。ひとつのキーワードを元にして、関連するキーワードを大量に広げ、そこから本当に価値のあるキーワードだけを色々なデータを使って絞り込み、扱う商品にぴったりの「キーワードリスト」を作り上げます。
この機能のすごいところは、キーワードを絞り込む手順がとても分かりやすい点です。
例えば、「スマホスタンド」と検索して見つかった数千ものキーワードリストから、
- 「相関度」で絞り込む: まず「相関度」(=元のキーワードとの関係の深さ)というフィルターを使い、関係の薄いキーワードを候補から外します。
- 「画像」で判断する: 次に、キーワードにマウスを重ねると出てくる商品写真を見て、自分の商品とタイプが違うものが表示されるキーワードを手作業で消していきます。

この簡単な2ステップを踏むだけで、ごちゃごちゃだったキーワードリストが、驚くほど的を射た、質の高いものに生まれ変わります。
さらに、絞り込んだリストを「SPR(=およそ何個売れば検索1ページ目に入れるかの目安)」の数字が小さい順に並べ替えれば、「少ない販売数で上位表示を狙える、複数の言葉を組み合わせたキーワード(ロングテールキーワード)」を簡単に見つけ出すことができます。
この手順で完成したキーワードリストは、セラーにとって強力な武器となります。どれが大事か順番がつけられたリストを元に、お客様の心に響く商品ページを作ったり、ムダな出費を抑えた広告の計画を立てたりすることが可能になります。「なんとなく」でキーワードを選ぶのをやめて、数字という根拠のあるやり方でライバルに差をつけましょう。
◆ セラースプライトの導入と使い方(基本の流れ)
- 公式サイトでアカウント作成(無料プランあり)
- 管理画面から「キーワードリサーチ」や「商品リサーチ」を選択
- 検索キーワードやASINなどを入力して分析
- 需要や競合性を見て仕入れ候補をリストアップ
セラースプライトは「今どんな商品が売れているのか?」「これから伸びるジャンルは何か?」を掴むのに役立ちます。
Keepaやイーリサで個別商品の分析を行いつつ、セラースプライトで全体の市場動向やトレンドを把握することで、
仕入れの精度と利益率をさらに高めることができます。

3つのツールをどう使い分けるか?目的別のリサーチ活用法
Keepa、イーリサ、セラースプライト——
これら3つのリサーチツールは、それぞれ得意な分野が異なります。
うまく使い分けることで、初心者でも「失敗しにくい仕入れ」ができるようになります。
◆ それぞれの役割を整理すると…
ツール名 | 主な用途 | 特に見るべきポイント | 無料範囲の活用 |
---|---|---|---|
Keepa | 商品の売れ行き・価格推移の確認 | ランキングのギザギザ/価格変動/出品者数推移 | △(一部有料) |
イーリサ | ライバルの在庫数や販売個数の推定 | 出品者の増減/在庫数/価格履歴 | ○(無料あり) |
セラースプライト | トレンド商品・市場規模の調査 | 検索数の推移/競合数/ホットセール商品 | ○(無料あり) |
◆ リサーチの基本ステップとして使い分けるなら?
- Keepaでその商品の過去データ(売れ行き・価格)を確認
→ 仕入れても安定して売れているか?価格競争になっていないか?をチェック - イーリサでライバルの在庫・販売状況を深堀り
→ 出品者数の動きや在庫数を見て、「今仕入れて売り抜けそうか」を判断 - セラースプライトで需要がありそうなジャンル・商品を探す
→ 売れ筋や検索ボリュームから「どこにチャンスがあるか」を見つける
◆ ツールは組み合わせてこそ力を発揮する
1つのツールだけでリサーチを完結させるのは危険です。
たとえば「売れているように見えたけど、在庫を抱えている出品者が多かった」というケースも珍しくありません。「売れる商品を探す→その商品が本当に売れているかを確認→ライバル状況を見る」
という流れを通して、より安全で確実な仕入れができるようになります。
リサーチ力が利益の差を生む
せどりで安定して稼ぐためには、感覚や思い込みではなく、データに基づいた仕入れ判断が不可欠です。
今回ご紹介した3つのツールは、初心者でも使いやすく、それぞれ強力なリサーチ機能を備えています。
最初は無料プランや一部機能からでも構いません。
少しずつ使い方に慣れ、自分なりの「稼げるパターン」を見つけていきましょう。



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